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わがままなCEOとうまくやるコツ(前編)

更新日:2020年7月6日

外部専門家を必要とする企業では、CEOの独裁国家のようになっている組織が多いのではないでしょうか。理想を追うばかりで現実の数字や人を見ることができない、そんな「わがままなCEO」と上手く関係性を作っていくポイントをお伝えしていきたいと思います。今回は前編となります。




マインドセット/わがままなCEOはウェルカム

はじめに、「CEOのわがまま」は肯定的に受け入れるというマインドセットからはじめましょう。「CEO=理想を唱えるドン・キホーテ」です。CEOのわがままエネルギーなくしては、起業は成り立ちません。自らの理念とその実現手段としての自分の会社を理屈抜きに強烈に信じていて、脇目もふらず、周囲を振り回して猛進していく、それがCEOの役割でもあります。実際、わがままでないCEOでは、カリスマ性や対外交渉など物足りないのではないでしょうか。


しかし、「俺に逆らうな」「契約取れるまで帰るな」「もっと売れるはずだ」等、組織運営上の障害となる独裁者になってしまう場合は、制御・牽制しなければなりません。特に創業オーナーCEOの場合、リスクテイクして自分で全て作り上げてきたという自負もあり、その利益からお金を払って雇っている社員まで全ては自分のものだと思う傾向が強いです。


肯定的に受け入れるべき部分は受け入れ、それが組織にとってプラスに働くように整える、そんな役割がCFOには求められます。

では、具体的にどういったアプローチでわがままなCEOとうまく付き合っていけばいいのでしょうか。



わがままなCEOタイプ別アプローチ

ここでは、CEOのタイプとCFOであるあなたの取るべきスタンスを4つのパターンに分けて解説していきます。

※相手方のスキル・タイプ別 コンサルティング・コーチング比重マトリクス参照


A:事業成功に対する自信・意欲が強く、能力も高いCEO:執事的見守り

営業マンが独立して始めた代理店などに多いパターンです。社員もCEOについてきた、という方が多く、イケイケな組織になりやすいです。


こういったCEOに対しては、冷静沈着な執事のように、「だんな様、さすがです、素晴らしい」と褒めながらも、しっかり守りを堅めてあげる必要があります。また、このタイプは周囲に対して「なんでこんな事もできないんだ」と思う傾向が強いため、行き過ぎたプレッシャーをかけたりしないように諭してあげましょう。また、弱みを見せることを嫌い、相談相手が少ないことも多いので、客観的な観点でよき理解者になると、信頼を得られます。


B:事業成功に対する自信・意欲は強いが、能力は低いCEO:体育会的鍛え上げ

社会の役に立つことを、という理念が先行する起業家に多いパターンです。それ、採算合ってませんよ、マネタイズできませんよ、手を広げすぎですよ、資金足りませんよ、と突っ込みどころが多いですが、CEOはやりながら様々な能力を身につけていく事ができます。


こういったCEOに対しては、経営をしっかり数値で見える化し、事業PDCAをしっかり回せる環境を作ってあげたり、当社に適合したKPIやKSFを一緒に考えていく事で、成長を加速させることが求められています。また、社内的には、社長の言っている事が伝わりにくい事も多いので、COOとの連携も密に組織作りにも関わると良いでしょう。


後編で残る2つのパターンの紹介へつづきますので、ご期待ください。



筆者:日本パートナーCFO協会 事務局 猿樂昌之


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