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少子化対策(第2回)


先進国になると少子化が進むと言われています。従って多くの国で少子化問題に直面しており、日本も少子高齢化の先頭グループにいることは周知の事実でしょう。少子化は人口減少につながり経済規模を縮小させるため、積極的に対処したい問題であるはずです。ではどのような打ち手が考えられるのでしょうか。

この点、最近のハンガリーは、「子供を産めば産むほどその家庭の生活が楽になる」という社会を目指し、ドラスティックな政策をとっているため参考にする価値が有るでしょう。ではそのハンガリーの政策を見ていきましょう。




3. ハンガリーの少子化対策

① 4人目の子供を産むと、定年まで所得税ゼロ

最初に紹介する政策から劇的な内容ですが、4人の子供を産んだ女性は、定年まで所得税が免除される政策です。1~3人の子供を産んだ場合の減税額は、1人の場合は月額32ユーロ(約4,000円)、2人目を産むと月額60ユーロ(約7,500円)、3人で99ユーロ(約12,500円)となっています。ハンガリーの所得税率は約15%であることを考えても、この1~3人の子供を産んだ場合と比較すると、4人目を産むと劇的に減税されることがわかります。


この制度を日本に導入した場合、政策の目玉になるのではないでしょうか。



② 3年間の有給育児休暇

子供が3歳になるまで育児休暇を認めており、子供が2歳になるまでは産休に入る前の給与額の7割を保証している制度です。また2歳から3歳になるまでは、一定の給付金が有り、3人以上の子供がいれば最年少の子供が8歳に達するまで、子育て支援手当が支給される制度となっています。


似たような制度は日本にも既にありますが、対象期間や金額の手厚さで違いがあります。



③ 結婚奨励金

少なくともどちらか一方が初婚である新婚カップルは、結婚から2年間は毎月15ユーロの税額控除を受けることが出来る政策です。若い世代の結婚を促進する狙いがありますが、結婚から2年間しか適用されないため効果のほどを疑問に持つ方もいそうです。



④ 無利子ローン

妻が18歳から40歳までの夫婦であれば、3万ユーロまでの無利子ローンを受けることができる制度です。そしてこのローンは子供を産むと返済条件が有利になる仕組みです。

具体的には、借入から5年以内に1人でも子供が産まれれば、返済が3年間猶予されます。2人目の子供が産まれると更に3年間返済が猶予されるうえに元本の3割分の返済が免除されます。3人目を産むと残額のすべてが免除される仕組みとなっています。


無利子という条件を考慮すると結婚とともに可能な限り借入れておけば、カップルにとり総合的には損しない制度設計になっているのではないでしょうか。



⑤ マイホーム補助金、住宅ローン減税

3人以上の子供がいる家庭が新築の家を購入する場合、現金支給と金利を補助する制度です。中古物件を購入する場合は子供の数に応じて補助額が変動しますが、こちらも住宅購入を支援します。

また2人以上の子供がいれば、子供数に応じて住宅ローンが減額される制度です。日本にも住宅ローン減税はありますが、子供数に応じた制度では無い点で少子化対策にはなっていません。



⑥ 学生ローン返済減免

学生ローンを借りている大卒女性が1人目を妊娠した場合、妊娠3カ月目から3年間にわたり返済を停止でき、2人目を出産した場合は学生ローン残額の5割が免除され、3人目を出産するとローン残額が免除される仕組みです。また、2年間は保育料相当額の給付を受けることも出来きます。


保育料の減免は日本でもありますが、日本でも最近は学生ローンを利用する学生が増えているそうなので、学生ローンの減免は導入すれば有効なのかもしれません。



⑦ 体外受精無料化

1人目のための体外受精費用は5回まで、2人目以降は4回まで全額を補助し、更に体外受精にかかる医薬品は100%保険適用することができる制度です。

日本では不妊治療費はかなりの出費になるそうですから、この制度が導入されると有難いですね。


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