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解約率


サブスクモデルやSaaS系の会社が注目を集める昨今ですが、これらのビジネスモデルがなぜ人気なのでしょうか。株価収益率(PER)が高いことが大きいのですが、それはひとたびビジネスモデルをつくり上げれば、その後は右肩上がりの業績をつくり易い事が大きいように感じます。このようなビジネスモデルでは「解約率」は注目に値するKPIとなっているのですが、「解約率」についてあまり考えたことが無いという方も多いと思いますので、今回は「解約率」について述べていきたいと思います。




1. リピート率≒解約率

「解約率」はビジネスモデルにかかわらず、売上を計上していくにあたり重要な概念となります。一般的に売上に結び付けるためには、下記のどちらが難易度は低いでしょうか?

  1. 新規に顧客を獲得する

  2. 既存顧客をリピートさせる


一般的には2.の方が簡単です。つまりリピーターや常連客は有難いお客様であり、新規顧客を開拓するためには時間・営業コスト・人脈・運などが必要になるため、よりハードルが高くなります。


ここで一度サービスを経験した顧客が繰り返し来客してくれる「リピート率」は、彼らが来客しなくなる「解約率」と、経営上はほぼ同じ意味と言えます。となると、解約率が低ければリピーターや常連客が今後も売上に貢献してくれるため、そのサービスの収益は安定しますね。




2. 解約率

どのような算式をもって解約率を算定するのかは、業種や会社の考え方によりいくつかの計算方法があるとは思いますが、下記の考え方が一般的です。


解約率 = 解約したユーザー数 ÷ 解約前のユーザー数 × 100


例えば、1年間の解約率を算出するために必要な数値は「1年間で解約したユーザー数」と「前年度末のユーザー数」です。解約ユーザー数が10名、前年度末のユーザー数が100名の場合、1年間の解約率は10%となります。

解約率を算定する期間が一つのポイントとなりますが、1年間や半年間で見ると客観的な解約率を把握できるようです。




3. 解約率詐欺?

過去に見たことがある話ですが、解約率が良い数字となるように、意図的に都合の良い算式を使っている会社を見かけたことがあります。

それは人事評価クラウドシステムを販売するベンチャー企業であり、「販売時と1か月後」の比較をもって解約率を算定していました。


このカラクリに気が付けるでしょうか?


多くの日本企業は、四半期や半年に一度の頻度で人事評価をしており毎月は行いません。となると、人事評価クラウドを導入してから1か月後では人事評価を行っておらず、サービス内容に不満を感じて解約に至るケースはありません。このような算定方法をもって低い解約率の実績があるから、このサービスは評価されているとの趣旨で宣伝されても、信用する気にはなれません。




4. 解約率が高い

では解約率が高いとどのようの問題が生じるのでしょうか。

これはそのサービスのビジネスモデルが、ストックモデル的であるか、フローモデル的であるかにより変わってくると思います。ここではストックモデルを前提に記述し、ストックモデル、フローモデル、そこから派生するジレットモデルの説明は、別の機会に委ねます。


解約率が高いと、広告宣伝費や人件費を投じて営業活動を行い新規顧客を獲得しても、すぐに顧客でなくなることを意味します。すなわち1人の顧客が生涯支払ってくれる収益(Life Time Value)が低くなりますので、利益が出にくいビジネス構造となります。

これは例えるなら、底に穴の無いたバケツに水を必死に注いでいる状態であり、広告宣伝費や人件費を垂れ流しているイメージに近くなります。




5. SaaSモデル


サブスクや多くのSaaSモデルが人気である理由は、「解約率」が極めて低いビジネスモデルであることが大きいです。例えば会社の管理部門向けSaaSの場合、解約率が3%以下であるものが普通です。新たな事業年度が始まるとき、前年度の売上の97%以上が見込めることを意味するので、コンサルを手掛ける筆者からすると本当に羨ましい限りです!





6. さいごに

これを機に、世の中のサービスを比較する際に「解約率」を意識してみるのは、いかがでしょうか。ただ既に事業を行っている方にとっては、サービスの質を高めることで顧客満足度を高め、リピーターを増やすようにすると、昔から言われるところに行きつくのですが…

#Expert-CFO #シェアリングCFO #財務コンサル


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