2021年IPO総括

2022年がスタートし、新年の目標や抱負を実行すべく動き出した方も多いでしょう。そこですでに過去のことになりますが、2021年のIPOについて簡単に考察してみます。





1. IPO件数の推移

まずは2014年から2021年までのIPO件数の推移を見てみましょう(グラフ1)。2021年のIPO件数(Tokyo PRO Marketおよびテクニカル上場含む)は、過去と比較して非常に多い水準であったことが分かります。そしてマザーズへの上場社数が96社であり、驚異的に高い数字となっています。パンデミックが続く中、ベンチャー界隈は元気であったことが伺えます。



次に、2020年のIPO件数を月別に表したものがグラフ2となり、6月と12月が活況だったことが分かります。年末の駆け込みにより12月のIPO数が多くなることは毎年恒例のことですが、今年の12月は非常に多い結果となっています。また6月は5月のIPO数がゼロであったことの反動でしょう。

これに対し1月および5月の上場件数はゼロとなっています。1月が低調なIPO数になることは毎年のことであり、前年の12月に駆け込みでIPO数が跳ね上がることの反動であるように思えます。5月はコロナ患者数が非常の多く、緊急事態宣言が延長された時期のため、IPOに必要な諸々の手続きが進まなかったことが原因であると推測されます。





2. 高騰率とIPO数の関係

高騰率とIPOの関係をまとめたものが下表となります。



①1か月後高騰率とIPO会社数の関係

1か月後高騰率(1か月後の株価の公募価格からの上昇率)とIPOした会社数との関係を見ると、高騰率がマイナスとなっているものが27社であり、29.7%の構成比率となっています。つまり換言すると、約70%の確率で株価は上昇したと言えます。

高騰率が0~50%未満が35.2%、50%~100%未満が23.1%と合計で58.2%とボリュームゾーンです。IPO銘柄を入手できれば、58.2%の確率で1か月後には0%~100%の株価上昇が見込めるわけですから、IPO銘柄が人気であることが確認できます。

高騰率の最大であったのは株式会社サイエンスアーツの509.4%であり、ここまで高騰率が高くなると、公募価格の決定プロセスに問題があったのではないかと考えてしまいます。



②1か月後株価と2か月後株価の関係

高騰率(2か月後株価の1か月後株価からの上昇率)を表4でみると、プラスは30.1%、マイナスは69.9%となっていることから、2か月後の株価は1か月後の株価から下がりやすい傾向にあると言えます。特に-20%~0%未満で47.0%を占めており、約半分の確率で0~20%の株価が下がっています。

IPO銘柄に当選した人のうち短期保有目的の株主は、IPOから1か月あたりで売却するするとお得となることが推察されます。





3. まとめ

2021年のIPO数は非常に多く、コロナの影響で苦しんだ日本経済とは異なる動きを見せていた印象を受けます。オミクロン株の動向は有れども、ここ最近、コロナ感染状況は落ち着きを見せているだけに、このまま日本および世界経済の復活を期待したいものです。

以 上


【出典】

新規上場情報:日本取引所グループHP

https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/00-archives-01.html


Appendix:2021年新規上場企業一覧