資金調達時の契約書(後編)

更新日:2020年12月30日

ベンチャーキャピタル(以下、VC)から資金調達をする際、かなり分厚い契約書に基づいた契約を結ぶことになります。契約書には契約条件や権利等非常に重要なことが書かれているため、その内容を正確に理解しないと大きなリスクを抱えることもあります。

今回は投資契約と株主間契約の関係について記載して行きます。投資契約と株主間契約の関係についてですが、①投資契約のみが締結される場合と②投資契約および株主間契約が締結される場合があります。


契約書の用途

①投資契約のみが締結される場合

この場合、投資契約の内容に必要な内容を全て入れ込む必要があります。そのため、資金調達時の契約書(前編)の投資契約の章に記載した内容を投資契約書に記載することになります。


②投資契約および株主間契約が締結される場合

この場合、投資契約は主に契約時点の条件を記載し、株主間契約はその後継続する条件や権利を記載するイメージになります。



株主間契約がある場合とない場合

なぜこのように2パターンの契約形態があるのでしょうか。

投資契約のみが締結される場合、投資契約の契約当事者は、会社、創業株主および今回出資する投資家です。投資契約は、契約の当事者である会社、創業株主および投資家しか契約で縛れず、他の株主には拘束力がありません。この結果、契約の内容により他の株主まで契約の拘束力を及ぼさなければ、その契約を遂行できないケースが生じます。

このような場合に役目を果たすのが、株主間契約です。株主間契約の当事者は、会社、創業株主および他の株主(主にVC)です。つまり株主間契約の最大の目的は、契約の当事者に主要な他の株主を含めることにあります。この結果、他の株主に契約の拘束力を持たせ、過半数の議決権を維持することにより契約を遂行できるようになります。

この株主間契約は、新たな投資家が株主として現れるときには、再度契約を締結しなおす必要が出てきます。

以上のような理由から、他の株主を契約当事者として拘束する必要がない場合には投資契約が、他の株主を契約当事者として拘束する必要がある場合には株主間契約が締結されることとなります。もちろん他の株主に多数の議決権を保有している投資家がいない場合は、株主間契約を締結しても意味をなさないため省略されることになります。


投資契約と株主間契約の関係は、意図的に調べないと意外と知らないままになっていることが多かったりします。ぜひ、これを機に2つの契約書の内容を知っていただけたら幸いです。

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