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資金繰り管理でCFOがすべきこと(前編)

更新日:2020年7月29日

外部環境の変化への対策

1. 外部環境への考察

外部環境を長期的な時間軸で見ると、約10年周期で不況を繰返していると言われています。主なものは下記の通りです。


  1987年   ブラックマンデー

  1990年辺り バブル崩壊

  1997年   アジア通貨危機

  2008年   リーマンショック

  2020年   新型コロナウィルス


このように歴史を振り返ると、不況を招く出来事は決して珍しい事ではなく、経営者は不況への対策を日頃から考えておかなければならないと言えるのです。対策を考えるにあたり、企業がコントロール出来ない要因について検討しても無意味であるため、コントロール可能な要因にフォーカスし対策を講じるべきです。採るべき対策は企業ごとに異なるのですが、資金繰り管理に関してはあらゆる企業にあてはまる不変の要因であるため、本稿では資金繰り管理に関して述べていきます。



2. 資金繰り管理の重要性

資金繰りとは、企業が自社の資金残高を管理することを言います。資金ショートを避けるために、資金が足りなくならないように管理することは当然、前述のような不況になっても耐えうるように対策を立てておくことも含まれます。なお、CFO経験者やCFOを目指す方になると、資金と利益の違いやキャッシュフローと損益計算書の違いは理解されていることと思いますので、説明は割愛します。


資金繰り管理を誤りたとえ一瞬であっても資金ショートを起こしてしまうと、「黒字倒産」に至ることがあります。これに対し、会計上の損失が計上されても資金が回っていれば、損失計上を理由に企業が倒産することはありません。究極的には、企業の倒産は資金繰りが回らなくなり資金ショートした瞬間に起きるものと言え、このことから資金繰り管理が非常に重要であることが分かります。



3. 資金繰りが悪化する代表的なケース

① 赤字が継続する場合

販売が不振となり入金が減少する一方でそれに見合うだけ費用を減らすことが出来ない場合、企業のキャッシュフローは悪化します。したがって赤字が継続すると、財務活動に頼らなければ企業の保有現金は減少していきます。いわゆる経営不振に陥った状態ですが、このケースは多くの人にとって理解しやすいでしょう。



② 売上が急拡大する場合

売上が急激に拡大した場合、売上の増加に併せて資金が豊富になる印象を持つ人が多いかもしれません。これは中長期的に考えると正しいのですが、短期的視点では入金と支払のタイミングによっては資金繰りが一時的に苦しくなることがあります。


いわゆる運転資本が必要となる業種の場合、売上が急拡大するとそれに比例して運転資本も多額に必要となります。従って運転資本を必要とする企業のCFOは、売上が急拡大する時は資金繰りに注意が必要です。



③ 販売可能性が棄損した棚卸資産を保有する場合

棚卸資産は、得意先に引き渡されることにより売上が計上され、その結果、将来の入金につながります。しかし企業の手元にある棚卸資産は、資金が棚卸資産に形を変えたもので自由に使えない資金を保有していると解釈することもできるため、資金繰りを悪化させる要因となり得るのです。


棚卸資産が陳腐化や品質の低下により価値を棄損すると販売可能性を失うため、更に資金繰りに悪影響を与えます。棚卸資産に販売可能性を持ちいずれ販売されるのであれば、将来は入金されるため資金繰りに与える影響は一時的なものですが、販売可能性を失った場合は入金されないことになります。


以上のことから、資金繰りを守るために棚卸資産を極力減らす観点は、現在のような外部環境では必須であり、特にすぐに価値が棄損する棚卸資産ほど厳密な在庫管理を行い、資金繰りを悪化させないようにすることが求められるでしょう。



④ 得意先からの入金が遅延・貸倒れする場合

現在の不確実性の高い外部環境を鑑みると、取引先も業績が悪化し資金繰りが苦しくなることがあり得るため、得意先が支払を遅延するもしくは支払が不能になる可能性について考慮しておく必要があります。仮にそのようなシナリオを想定していない場合、予定していた入金が無くなり貴社の資金繰りに悪影響を与えます。そして資金繰りへの悪影響が重大であると企業は倒産に至ることがあります。



後編は、資金繰りを改善させる方法について触れていきます。


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