組織の壁(第4回)第3の難関:100名

「戦略は組織に従う」と「組織は戦略に従う」


アンゾフとチャンドラーのどちらが真実であっても、企業が継続的に事業を行うにあたり、組織づくりが重要な経営課題となるこには間違えありません。企業が成長するためには成長の段階に応じた組織づくりが欠かせず、もし適切な組織づくりができない場合は組織内は混乱し企業の成長を阻害します。

経営者の組織づくりに対する取組みや組織マネジメント方法は、その企業で働く従業員の幸福度にも大きく影響を与えるため、先を見越した組織づくりをしてきたいものです。今回は第3の難関:100名の壁について述べていきます。


第3の難関:100名の壁

1. 従業員の多様化

100名を超える企業にまで成長すると、入社してくる従業員はその企業をベンチャー企業とは考えておらず、自己実現や自己の成長よりも安定やプライベートの充実に重きを置く人が増えてくるようになります。


これに対し初期メンバーは、創業当初のがむしゃらに働いていた経験などを踏まえ、新しい従業員を考え方が甘いと見做す傾向にあります。このような人材の多様化が、価値観や考え方のギャップが生むようになります。



2. 顕在化する問題点

①マニュアル・規則の増加

多様な人材が入社するにつれ従業員の価値観や能力が多様化するようになりますが、誰が担当しても常に一定の質の業務を行えるように、マニュアルや規則でコントロールする場面が増えます。その結果、従業員はマニュアル等に決められた手続きのみを行う、会社の歯車のような印象を持つようになります。更にマニュアル等に従うことを優先し、自ら考えて行動することが出来なくなっていきます。


②人事制度が機能不全

従業員人数も増えたため人事制度も運用されるようになりますが、人事制度の適切な運営は企業経営の観点から最も難しい論点の一つと言えるでしょう。


社会保険労務士や人事コンサル等に相談し人事評価制度を導入する例も見受けられますが、評価項目が抽象的な表現となっているものが多く、各評価項目の採点は評価者の恣意性が多く介入することが通常です。このため人事評価制度を導入し多くの労力を費やし運営しても、結局は多大な恣意性が介入するいわゆる「好き嫌い人事」となっていることが多いです。


従業員側からすると実績や能力で評価されたのか、好き嫌い人事で評価されたのかは敏感に感じ取るもので、モチベーションの低下や会社へのロイヤリティの低下につながり、退職率の向上という明確な数字に表れます。


③特定の人に業務が集中

従業員数が増える働く従業員・普通の従業員・働かない従業員が明確になる、いわゆる「2:6:2の法則」の状態になります。これは仕事の出来る人に業務が集中することが原因の一つだと推測されますが、働く従業員と働かない従業員の差がますます拡大し、組織内の雰囲気が悪くなります。


組織も100名を超える規模になると、ビジネスモデルは出来上がっており、売上や利益は安定的に計上できるようになっている企業が多いでしょう。一方で組織づくりが追い付いていないと、退職率の高い企業となります。次回は第3の難関への対処法について触れていきます。


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