本社売却(前編)



エイベックスや電通が本社を売却するというニュースが駆け巡りました。

エイベックスも電通も業績面で苦戦しているようで、本社売却は赤字の補填やキャッシュ確保のためだとにらむ人もいます。そしてエイベックスと電通のいずれも本社が東京の一等地にあることも共通しています。エイベックスが本社を売却した理由を検証していきます。





1. エイベックスの業績等

① 業績

まず、エイベックスの有価証券報告書に記載されている業績の推移を見てみましょう。下記のように2020年3月期に大きく業績を悪化させ、1,102百万円の純損失になっています。さらに2021年3月期の第三Q(2020年12月)は4,284百万円の純損失を計上するほど、業績は悪化しています。以上のことから、エイベックスはここ最近、急激に業績が悪くなっていることが見えてきます。

出典:有価証券報告書    


では次に、事業セグメントに分類して業績の推移を見てみましょう。下記のグラフから音楽事業が事業の柱であり、かつ2020年3月期の売上高が前期から減少した最大の要因が音楽事業であることを読み取ることができます。


                   出典:有価証券報告書 セグメント情報



② 早期退職制度

上記の業績推移を受け、エイベックスは早期退職制度を導入し人員の整理を行わなければならない状況に追い込まれました。経費削減程度ではとても立て直せない状況まで落ち込んでしまったのでしょう。


2020年11月6日付日経新聞の記事の引用です。

エイベックスは5日、音楽事業の一部などで働く40歳以上の社員を対象に、12月中に100人程度の希望退職を募ると発表した。希望退職の募集は初めてで、募集人数は対象者の約2割に相当する。音楽CD販売などが落ち込んでいるうえ、コロナ禍で大規模ライブなどが開催できず、収益が悪化しているためだ。




2. 収益の柱

エイベックスの躍進を支えたアーティストとして、小室哲哉、安室奈美恵、浜崎あゆみ、倖田來未等の名前が挙がるでしょう。日本人であればだれもが知る名前と言っても過言ですが、ダンスミュージックやトランスのイメージが強く、最近ヒットしている音楽とは傾向が異なるのかもしれません。そのため、2020年以降はこのようなビッグネームに匹敵するアーティストを、エイベックスから輩出できていない印象はあります。このような収益の柱となるアーティストがいない点は、業績に大きく影響を与えていることは想像に難しくありません。


またコロナの影響によりライブやイベントを開催できなくなっており、これがエイベックスの収益性に大きく影響を与えていることは間違えないでしょう。かつては音楽の販売に関する売上が大きかったが、現在ではライブの比重が多くなっていたところにコロナが直撃しています。




3. まとめ

今回はエイベックスの業績が悪化した原因を検証しました。次回はエイベックスが本社を売却した狙いが何であったのか検証します。

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