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従業員持株会(第2回目)



日本企業が有する社内制度の一つに従業員持株会というものがあります。勤務する会社が従業員持株会を導入していれば直接関係することになりますが、制度の内容を正確に理解している方は、意外に多くないのかもしれません。前回は一般的な内容について記載しましたので、今回は従業員持株会の本音について述べていきたいと思います。





4. 実質的な目的

従業員持株会はメリットおよびデメリットを持つことは前回記載しましたが、証券会社のHPなどではメリット面ばかりが強調されていることが散見されます。筆者も就職した会社で従業員持株会に加入したことがありますが、メリットが本当にメリットであるのか大いに疑問を持ちました。現実的には、従業員持株会の本当の狙いは下記の2点に集約されていると考えられ、他のメリットに記載されていることは建前に過ぎないことが多いです。



① 安定株主工作

オーナーは経営安定化の観点から、自分の経営方針に賛同する株主に会社の株式を保有してもらいたいものです。この観点から、オーナーは従業員持株会に自社の株式を持たせようとしているのです。

オーナーは雇用者と被雇用者の関係にあり、また退職した従業員は従業員持株会から脱会する必要があるため、オーナーから見ると従業員持株会は逆らうことのない株主という訳です。



② 相続税評価額の引下げ

オーナーは、持株の一部を税務上の低い評価額となる配当還元法で評価し売却することが出来ます。これは相続税等の対策として頻繁に用いられる方法であり、節税対策をしつつ安定株主である従業員持株会が株式を保有させるというのが狙いです。



鋭い方はお気づきかもしれませんが、この2つのメリットはいずれも経営者にとってのメリットであり、従業員にとってのメリットではありません。つまり従業員持株会は経営者、特にオーナーが経営権および相続税の観点から利用する制度である傾向が強い制度なのです。では、従業員から見ると従業員持株会はどのように見えるのでしょうか。

結論から言うとそれほど魅力的な制度ではありません。これを魅力的な制度にするために、会社は奨励金を支給します。換言すると、奨励金の無い従業員持株会は、従業員が加入するインセンティブは無いということが出来るのです。




5. さいごに

今回は従業員持株会の本音ベースの目的は経営者のメリットであることを記載しました。一方で従業員は奨励金が無いとメリットが無いことになります。これはなぜなのか、次回で解説していこうと思います。


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